TAD 試聴会

毎回、皆様にとても驚かれるのですが、”全て国内生産”によるオーディオメーカー

Technical Audio Devices、「TAD」

そしてさらにCDプレーヤーからアンプ、スピーカーに至るまで全てTADで体験できる

【オールTADシステム体験イベント】を開催致しました!

 

今回は特に全国的リファレンススピーカーであるB&W 802D4と価格帯が近い

新型スピーカー”TAD GRAND EVOLUTION ONE”通称【GE1】でのシステム構成

という事でとても注目度の高いイベントでした

さて、今回使用した機材のご紹介から

ディスクプレーヤー:TAD-D700

ディスクプレーヤー:TAD-D1000TX

プリアンプ:TAD-C1000

パワーアンプ:TAD-M700S

スピーカー:GRAND EVOLUTION ONE

スピーカーケーブル:TAD-1C

オーディオボード:TAD-ZZ014

 

今回ももちろんプレーヤー、アンプ、スピーカーだけでなく

ケーブルやオーディオボードに至るまですべて【TAD】という徹底ぶり!

やはりここまで拘れるメーカーはなかなかありませんね

まずは営業、輿水さんにデモをして頂きます。

スピーカーをお隣山形県で作っているということもあり、宮城県民にとっては

それだけでも親近感が沸いてしまうところではありますが(笑)

「TADとは?」

TADの音のコンセプトは「何も足さない、何も引かない」

 

よく、「生音に忠実に」という言葉も耳にしますが、音源として世にでるにあたり

「アーティストの想い」の他に録音やミキシング等「スタッフの想い」にも言及

してくれるあたり、個人的には非常に音楽再生への真摯な想いを感じたところでも

あります。(かくいう小川も元スタジオエンジニア経験者)

そして、TADはプロ用スピーカーユニットの製作からスタートしているだけあって、

まずはスピーカーが在り、そのスピーカーを鳴らすためにアンプ等を作っている

というアプローチになっており、この作り方は非常に理にかなっているように見えて

実際にできるメーカーは再三言っている通り全てを国内自社生産出来ているTAD

ならでは!という事実はまさに出てくる音によってより説得力を増すという結果に

現れるところがまたカッコいいと思うのです。

 

今回エボリューションシリーズのプリアンプがはじめて発売されましたが、実は

これも昨年のスピーカーCE1TX発売に伴い、CE1TXを鳴らすためのプリアンプ

として開発されたという経緯があるようなのです。

もちろん”専用”という事ではなく、他の組合せでも鳴らせますよ

スピーカーの表現できる能力が上がるという事はそれに伴いアンプへ求める

能力もまた上がる!という事ですね。

そう!つまり今回「GE1」の発売に伴い、この「GE1」の為のパワーアンプも

開発中との事!

 

今回のようにオールTADで鳴らすと、TADの鳴らしたい音というものが

とても分かりやすく出るのでこのイベントの説得力は参加された皆様も

存分に体験されたようですよ

さあ、そんな新型スピーカー「GE1」の音ですが

参加された方々も口々に絶賛されておりましたが、中域から低域にかけて

厚みのある鳴り方が魅力。

リファレンスシリーズと同じ”蒸着ベリリウム”を使用した同軸ユニットの恩恵もあり

非常に自然で伸びやかな高解像度の表現力に加え、18センチのウーファーとは

思えない豊かな低域。そしてしっかりと厚みがありながらスピード感のある

鳴り方は正直「こんなスピーカーあったらいいな」を具現化したスピーカーと言っても

言い過ぎでなないのではないか?と思わせてくれるスピーカーです。

 

 

さて、ここでTADのスピーカー製作について

場所は仙台からも程近い山形県天童市でつくられているのですが、その理由として

非常に良質な家具等でも有名な「天童木工」の近くで作っているというのもひとつ。

キャビネットの木工技術でも非常に高い技術力を誇ります。

しかも今回のカタログにも写真が載っているのですが、製作過程において

スタッフさんの認定制度があり、毎年の試験によって「匠」の認定を受けた人が

製作に携わっている。という裏話もみなさん興味深く聞き入っていたようです。

「GE1」に使用されている同軸ユニットのツィーターはリファレンスシリーズと同じ

蒸着ベリリウム!(なので金額が高くなる(笑))らしいのですが、その恩恵として

超高解像度の再生が可能となっています。

蒸着の利点は、音の出た瞬間のまだ闇の世界、無音の表現が良いと言われています。

 

今回話しを聞いていて感じたのは、蒸着の発想もそうなのですが何よりTADは

このベリリウムを鍛造でも蒸着でも出したい音によってどちらも自社生産ができる

という技術力がまた凄いですね。

 

さらにユニットをバッフル面に取り付けるにあたり、斜めのバッフル面に角度を

つけて取り付けるという難題を解決するため、これまた非常に大変な事を

しているようです。

 

この左の写真を見てもらうと分かるように、正面から見るとそのまま取り付けて

あるようにユニットですが、よく見るとバッフル面が上下で凹凸が逆になっている

のです。

これは本当に言われないと気づきませんでした・・・

最後に気になるバスレフポートについて。

今回の「GE1」はサイドポートでは無く、足元にバスレフポートがついており、

底板に当てることにより前後に逃がす構造になっています。

 

この構造の恩恵として、音としてはこの大容量のキャビネットの容積を生かし、

低域の量感、壮大さを出しつつスピード感を完全にコントロールできるように

このような構造になっているようです。

 

本当にこれだけ低域の量感を豊かに出しつつスピード感もあるという鳴り方は

今回イベントに参加された皆さんもとても気に入っている様子でした。

非常に皆様方、このスピーカーの感触がかなり良かったようで、「GE1」を鳴らすには

実際にどのくらいの部屋の広さが妥当か?という話しの流れに。

 

まず、このバスレフポートの空気の出口が前後に向いていることもあり、スピーカーの

後ろを壁に近づけたセッティングでもそこまで低域を損なう事がなく、

また、サイドに直ぐ壁があったとしてもこの同軸ユニットであればそこまで影響を受ける

事がない。という事でした。

 

後ろはまあ何となく分かるけど、サイドに影響が少ないのは何故??

 

これは実際にやってみると分かるようなのですが、その理由として

音の反射の仕方で「壁が鏡のような役割をする」という事。

 

つまりスピーカーの隣に大きな鏡があると、鏡の向こう側にもう1本スピーカーが

見えるようになりますが、音の印象としてはその鏡の中のスピーカーが鳴っている

かのような音場感を感じるとの事。

 

 

この「GE1」。安くはないのですが(笑)

皆様口々に「この金額は納得の音!」と関心しきりで聴き惚れている姿が

印象的だったのです。

 

 

 

 

2024/3/17 AUDIO SHOP KEIKI 小川