TAD 試聴会

 今回は当店初となるTADの試聴会を開催致しました。TADはテクニカルオーディオデバイセズの略で、pioneerの傘下にあるオーディオ専門部門になり、PAなど業務用スピーカーからコンシューマーのオーディオ製品を販売しています。その昔はエクスクルーシブブランドでも親しまれた日本のメーカーです。
 生憎の台風21号の天候と、衆議院選挙の投票日及び宮城県知事選も重なり、試聴会どころじゃなくお客さまの足も遠のくのかと思いきや、この状況下に20人程のお客様にご来店頂き、誠に頭が下がる思いです。大変有難うございます。
  TADからは技術開発部の川村氏を向かえ、スピーカー開発秘話や技術的な面を中心に話を加え、各スピーカーを試聴していきます。
  メインのスピーカーには、店頭でも展示のあるMICRO EVOLUTION ONEとその上位機種に当たる、CONPACT EVOLUTION ONE、残念ながら販売が完了してしまうEVOLUTION ONEの3機種を並べて其々の音の違いを確認していきました。

DISK再生及びファイル再生にはD1000MK2を使用。プリアンプにC2000、パワーアンプにはD級アンプのM2500MK2をデモンストレーション。
  前日に前乗りで午後からセッティングを開始。川村氏自ら、ホワイトノイズの正相、逆相を駆使しスピーカーの位置出しを入念に決めていきます。
  TADの両サイドに搭載された「Bi-Directional ADSポート」は、背面と横の壁の間隔で聴こえ方が変わり、音場の空間表現がシビアに変化します。
  スピーカーの後ろに音場定位する様に位置出ししてもらい、その魅力を引き出します。
  ユニットやスピーカー関連は、山形の天童で製作されており、技術的な話もスピーカーに関してが半分以上の内容で、熱が入った川村氏の説明がお客様にも伝わって行きました。
  詳しく説明された中で、磁気抵抗を改善するOFGMS磁気回路の仕組みが印象的で、いかにしてユニットのレスポンスを上げて特性を維持できる
のかが、TADならではのスピーカー屋の原点を垣間見れる技術の詰まった内容で、瞬発力のある音
11月下旬発売予定のMicroEvolutionOneのシルバー仕様。

の秘訣であると実感しました。
  最近はYAMAHAやDIATONEなど日本のスピーカーブランドの活躍が目立ち、海外のメーカーにも負けない素晴らしいスピーカーが増えてきています。B&WとJBLの中間の様な表現力のTADの音作りは個人的にも好きな音で、特にMicroEvolutionOneは帯域を欲張らず、中域が安定した表現力とサイズ感がない音場の広がりは、大型スピーカーにも負けない魅力があり、都市部のあまりスペースを取れない家庭に売れているのも頷けます。
  当店はMicroEvolutionOneが常時試聴可能ですので興味のある方は愛聴盤をお持ちのの上是非当店に聴きにきてください。

2017,10/22 菊地