LINN LP12 SE EKOS SE KEEL TRAMPOLIN U

LINN LP12のアップグレードパーツを搭載したSE UPGRADES を試聴することが出来ました。
今年1月の発表から各雑誌等にも取り上げられさまざまな評価がありますが、まずはそれぞれの各オプションを紹介します。
今までは別々の構造だったサブシャーシとアームボードが一体化したKEEL(キール)に、トーンアームEKOSをベースとしたEKOS SE 、更に新しくなった底板のTRAMPOLIN Uの3点の搭載機を試聴。
店頭展示の従来機のLP12の音色と比べながら試聴致しましたが、針を落とした最初の音でその違いは歴然でした。

LINNで最高級トーンアームとして長年親しまれてきたEKOSをベースに、最新の製造技術とその素材を活かし再設計された最高水準のトーンアーム。シェル部にアルミ素材を使用、アームチューブにはチタンを削りだし加工し共振を低減、軸受けハウジングにステンレス製にし不要なガタつきを極限までなくしています。さらにその3つを航空機の翼を固定する接着剤を使用。

残念ながら金額の割には3分の一ぐらいしか顔を出していないが、内に秘めた一体構造が非常に重要。その金額よりもはるかに効果大で航空機アルミ合金から一体削り出しで加工し、LP12の回転精度のよさや従来の音色も大事にしつつ、S/Nの向上と解像度の高さをこのKEELが導き出している
のが分かります。

EKOS SEの一体化したベアリングハウジング。今まではアームの固定の際にネジの押し込みで変形していたものが一体化により解消し更にベアリングが内蔵できる一石二鳥な構造。
キールの一体削りだし製作作業の写真。LP12の本来の重量バランスを崩さず全体の重量配分を入念に計算され作られている。加工に約1ヶ月以上かけ、切削による音質変化や熱による劣化が無いように細心の注意が払われている。
今回使用したLP12の電源LINGOとフォノイコライザーのLINTO。電源も重要です。

正直、実際に音を聞くまでは金額面で難しいと考えていたが、アップグレードされたLP12を聞いて何か別な感覚の再生装置に感じ又、オリジナルに近い音楽表現には驚きました。はじめ金額のことを口にしていたお客様も最後は「安い!」とうれしいお言葉も頂いたほどです。
 30数年も形を変えずそのコンパクトかつシンプルな構造と物体を主張しない音色は、販売台数10万台以上の実績に納得でき、更にすべてのLP12がこのようにアップグレード可能な事は他に無く、メーカーの音楽に対する一途な信念が伺えます。現行のLP12とははるかに違う次元の音楽表現に驚き、アナログの弱点である低域のニュアンスの良さやCD並みのS/Nにアナログレコードの実力が再認識され、試聴されたお客様には、アナログ再生への何筋もの道が見えたのではないでしょうか。