DS AUDIO W3 ES001 試聴会

今回はリモートでの試聴会を含めると、3度目となるDS AUDIOの店内試聴会になりました。 代表の青柳氏自ら来店頂き、新商品の光カートリッジDS-W3と偏心スタビライザーのES-001を引き下げての登場です。
  当店ではアナログ再生をされているお客様の割合が多く、店内導入時から光カートリッジの魅力をお伝えしてきましたが、このカートリッジの原理を理解され試聴頂くと、解像度の高さやスケール感の広さに皆様驚きアナログ再生に熱心な方々は皆納得されて購入に至る方が多く、私たちもこれからのDS AUDIOの更なる動向に非常に期待しているところです。
  現在DS AUDIOはトップモデルのGrandmasterの技術が下位モデルへと徐々に展開しており、今回はDS-003に続きW2からDS-W3へとモデルチェンジを致しました。W3の組み合わせで試聴するのは、OTOTENやオーディオ評論家を差し置いて全国初のセットでの試聴だったそうで、”えっ家が最初でいいんですか?”と思いつつ、皆ひれ伏して拝んで聴いたかは定かではありませんが、来店された既に使用されているお客様たちの期待度はかなり高かったようです。
  光カートリッジはLEDで照射した光をPD(フォトディテクタ)で電気信号に変換する方式ですが、今までLEDとPDをシングルで変換していたものを、W3はGrandMasterや003と同様に、LEDとPDを左右独立で設置し、遮光板も小型化されカートリッジの出力アップとS/Nが大幅に改善されました。又電源部にあたるイコライザーもデザインが一新、細部を見直し前機種のW2に比べ、スケール感はそのままに、再生される音の空気感や一つ一つの音像が明らかに違い、明瞭に広がっていきます。
 

青柳さんも話してましたが、全国で商品説明をしていると、光カートリッジを根本的に理解されている方とそうでない方がまだまだいらっしゃる様で、私たちも店内でお話ししていると、従来の磁石とコイルで増幅させるカートリッジがイコライジングされている事もいまいちピンと来ない方もおられます。
  簡単に言うと光カートリッジの最大の特徴はRIAAカーブなどのイコライジングに左右されず高出力且つフラットにレコードを読み取ることができる事に尽きます。 という事は、基本的にレコードに刻まれている音源を製作者の調整した音調そのまま読めるという事ですので、本気でアナログ再生を取り組んでる方にとっては朗報の、イコライザーカーブを調整せずそのまま再生するという画期的な商品です。40年以上前にこのような技術があった事にも驚きですが、埋もれてしまった技術を復活してくれたDS AUDIOにも感謝です。

 

新製品のW3の次は何やら面白いものを持ってきて頂きました。
初めの写真にも写っていますが、偏心スタビライザーというものでレコードを本当の中心で再生する事ができるようにするものです。
当店コラムオーディオショップケイキコラム (a-s-keiki.com)にも載せていますが、中心で回転する事を意外と気にしなかったり、たいして変わらないのではと思っている方が多いと思います。ここまで来ると超アナログマニアの領域ですが、言われてみれば確かにレコードの穴は真芯に空いているのはあまりありません。
  その昔ナカミチで偏心を合わせる商品があったようで、お客様でも記憶が残っている人も多かったのですがその当時は高額で、その調整機能が付いたプレーヤーを購入しないと恩恵が受けられなかったようです。そこでDS AUDIOではスタビライザー式にこの偏心を調整できる機能を付けられないかと考案したようで、商品が出来るまでサイズ調整や土台の回転させたりなど、このような形になるまでかなり苦労されたとのお話しでした。
  スタビライザーの下部にセンサーを2つ儲け、レコードの内側の最後にカートリッジが”ブツ ブツ”と往復する無音のところにある線が正円で回転しているのか読み取ります。ずれている距離を見ると多くて400μくらいですが、それを図って上にある液晶で中心になるように手でレコードを移動させます。

来店された方々も、せいぜいワウフラッターが出た波打つ音が整うくらいの感じにしか考えていなかったようで、レコードを中心に合わせた音に皆聴いた瞬間 ”違う、違う” の声や、うなずいている方など納得のご様子で、イメージとすればもわっとした低域が明瞭になって解像度が増したり高域も伸びた様になり、ボーカルなどは声の存在感が増え回りのざわつきが静かになったりと、シッカリとトレースされて中心に合わせなかった時との大きな違いが分かりました。
  お客さんの中で、同じレコードの同じ曲でも聴く日によって違かった要因を電源か聴く時間帯かと色々疑っていたがこっちが原因だったと確信された方もおり、偏心恐るべしという感じです。
現在ここまでマニアックな商品はDS AUDIOでしか販売しておらず、 世界で一点ものですので興味のある方は是非当店にご相談ください。光カートリッジの003は常時展示しておりますので聴かれたことが無い方は当店で体感できます。

2022 7/24 菊地