今回の試聴会はAccuphaseで先日発売されたばかりの新商品、SACD/CDプレーヤーDP-750と、A級ステレオパワーアンプの最高峰A-75を実際に製品を作った技術統括マネージャーの猪熊氏を迎えて、音作りや改善点など普段聴けないお話も踏まえ試聴頂きました。
順調な滑り出しでスタートした試聴会もアキュフェーズファンが多い当店らしく結局3回ローテションし、お客様の興味の高さが伺え有り難い次第です。
スピーカーは今回、店頭展示のB&W803D3に加え、お客様から一時お借りしたフランコセレブリンのアッコルドを試聴。表現力の幅の広い両機再生にどのぐらい対応可能なのか興味が出てきます。
最新のDP-750はハイエンド機のDP-950/DC-950を継承した一体型プレーヤーですが、製作に当たり、前作DP-720からはフルモデルチェンジの形になります。
シリコン系高性能弾性ダンパーの採用や、一体型の総重量10.5kgのSACD/CDドライブなど再生能力を更にアップし、DISK自体の振動や風きり音を減らして従来の1/2まで低減。特にトレイ開閉の重厚感や的確なスピードは拘りの一つだそうです。音の傾向はDP-950譲りの高域はうるさくなく、中域の厚みがあるとても安心感のあるバランスの良い音色で、当店でも買い替えや新規で購入者が早速いらっしゃい、アキュフェーズも売れ行き好調のようですよ。
話の中で毎回前機種を超える物づくりの作業は並大抵の苦労のようで、S/N比を1dB減らす努力は非常に難しく、毎回限界の中で試行錯誤することにより生まれてくる数値になっています。ただその中でも数値だけではなく、歪みを減らしていく事により余分な音が減り、録音された音源がそのまま抽出されて、音場の空間表現がとても良くなる効果が出てきていると猪熊氏は話します。実際、アキュフェーズの音はここ数年で変わりつつあり、よく音が硬くて冷たい印象だったと数十年前の印象をお持ちのお客様がおりますが、現在は緻密で繊細かつ、中域の程よい厚みが出てきて昔の音作りとは違ってきているのは確かです。
質問の中でも”音決めはどのようにされているか?”と言う疑問がでましたが、実際A-75などはアキュフェーズの30代のエンジニアが中心とした若い世代が設計に携わっていて、最終的には会社全体での決断になるそうですが、現在は音色も踏まえ製作段階で好評だった意見を統合し尊重した形で製品が出来上がってきているようで、アキュフェーズの中でも音決めの基準が変わりつつあるようです。
|