Accuphase 店内試聴会 2018 2/17
今回の試聴会はアキュフェーズで好評のプリメインアンプE-650を中心に、レコード再生に特化してシンプルな構成の中でどれだけの能力を引き出せるかをKISOACOUISTICのHB-1と、当店展示のB&W803D3の二つの音の特色と値段の異なるスピーカーで試聴して頂きました。
 
当日は時折吹雪く天気と、羽生くんの金メダルの懸かった演技が午後からあり、お客様の数が見込めないかと思いきや、終日合わせて20人強程ご来店頂き、ほんとに毎回有り難い限りで感謝いたします。

さて、使用したレコードプレーヤーは最近当店で展示をはじめたドイツ製TRANSROTER(トランスローター)のDARKSTAR。真空管アンプで有名な日本ブランドAIRTHGHTが輸入するブランドで、ヨハン・レイカ氏が1972年に創業した老舗のメーカーです。振動を極限まで抑え込み、独自の磁気フローティング機構を有した最新のアナログプレーヤーはレコードの情報を最大限に引き出し、力強く、空間表現の優れた再生を奏でてくれます。

通常、TRNASROTORのDARKSTARはSMEのアームが標準装備になっており、他社製のアームの取り付けは出来ませんが、それを何とかならないかと当店でアームメーカーの老舗、GLANTZの社長に掛け合い、弊社のショートアームMH-09BをGLANTZと共同で専用のアームベースを特注して頂きDARKSTARに搭載。見栄えも変わらず結果的には価格も抑えられ、元々のDARKSTARのS/Nの良さに更にMH-09Bの解像度の高さや力強い表現力が加わり、価格以上のプレーヤーに仕上がりました。当店でも一押しのレコードプレーヤーを使用しての試聴です。

フォノアンプにはAccuphase C-37を使用。アナログ好きにはたまらない豊富な3系統入力で、個別にMC/MM切り替えや負荷インピーダンスの選択が可能です。アームやカットリッジの多様化に非常に便利です。

 レコード再生は一昔前とは違い、より低歪みな増幅が可能になり、レコードに入っている情報を余す事無く再現できています。レコード本来の質感のある音質は世代を超えて認められてきており、若い年代の方たちにも”新しい良い音”として認められてきているようです。
 
今回Accuphase営業の小串氏を迎え、本人もどっぷり嵌っているレコード再生を世代感丸出し?の選曲で色々なジャンルの曲をAccuphase AC-6のカートリッジで鳴らして頂きます。

主に試聴して頂いたKISOACOUSTICのHB-1。昨年、当店主催のオーディオショプケイキ秋の試聴会2017でも好評だった為、あえて今回ACCUPHASEとの組み合わせで且つ、E-650でどのくらい鳴ってくれるのか興味津々です。
 
  HB-1はエンクロージャーの作りは正に楽器で、吸音材を一切使用せず、響きの良い空間表現が特徴的で、高さ約30cm、高さ約15cmの小さいながらかなりの音のスケールの大きさには初めびっくりします。
実際、E-650のドライブ力の高さか、非常に音の抜けが良く、10cmとは思えない低域の伸びと音場の広がりは、最近のスピーカーにはないとても癖のある面白いスピーカーです。ただ、音量が大きくなると少し高域がきつく感じるのと、セッティングで音場の出方や響きが変わり、思うような音にするまでに色々と試しながら音を追い込まなくてはいけないようです。他社のアンプなど更に厚みのある真空管アンプであわせても面白いでしょう。なにかKISOさんに秘策はあるのでしょうか?
 
  B&W803D3はアンプの反応の良さをそのまま出たようで、セパレート機と遜色なく再生出来た印象です。特にレコード再生は音の重心も下がり聴き易かったですね。
 
  E-650は今までの東芝製MOS-FETからビシェーの大容量MOSFETに変わり、AccuphaseでもFETの変更で音に影響はないといわれておりますが、音作りも以前とはやはり違く、力強くスピード感があるA級プリメインアンプへ進化しております。あまりスピーカーを選ばない印象で、鳴らしっぷりが良く発売以来売れている理由が分かる一品です。是非当店へお問い合わせ頂き試聴されてみてください。

いつもはハイエンド機を駆使した普段聴けない組み合わせを試聴して頂く事が多いですが、今回はあえてプリメインを中心としたセットでも満足のできる音が再生できることと実感して頂けたと思います。勿論上を見れば限がありませんが、現代のセパレート機に迫るプリメインアンプの実力と、再生機の組み合わせで十分な解像度や情報量、音楽の細かなニュアンスを引き出せます。
 
 特にアナログは現代のプレーヤーやフォノアンプでの再生では更に音の表情が豊かになり、細かな違いが聴き取れます。試聴会でも同じアルバムの製作会社の違いで全然印象の違う曲になったり、オーディオの趣味が更に広がる要素が潜んでおります。この醍醐味が詰まった楽しみ方が出来るレコードの魅力も更に感じられたのではないでしょうか?
 
 TRANSROTOR DARK STARは常時展示しておりますのでいつでも体感できます。少しグレードアップを考えてる方や、今の装置に不満がある方は是非とも当店へご相談ください。

 

2018 2/17 AUDIOSHOP KEIKI 菊地